●●● 湘南改造家通信44号  2007. 1.6(土)●●●●●●●●●●

 湘南改造家会員のみなさま、あけましておめでとうございます。
 代表の橋本洋一郎です。

 正月明けにいきなり3連休というのも何か不思議なカレンダーですが、
 みなさま調子はいかがですか?
 こちらは、おいしいものをたくさん食べたせいか
 なんとなく身体が重いです…
 おまけにおそ起きが身についてしまい、
 それを素直に見習ったうちの1歳児まで、
 夜9時に寝ているにもかかわらず朝は8時半まで起きない始末。
 おかげさまで親子ともども良く育っております。

 でも、そろそろねじを巻き直して行かねば、ですね。
 というわけで今年最初のメルマガ、たいへん長めです。

 それでは、改造家通信44号です。
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 最近の湘南改造家
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 不動産価格がすこし透明になるかも。
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 先月、住み替えの話題があったので、それに関連したお話を。

 巷の不動産屋さんが取引した不動産価格のデータは、
 国交省指定機関の不動産流通機構が運営する
 REINS(Real Estate Information Network System)というシステムに
 オンラインで登録され、業者間で情報共有されています。
 でも、この情報はこれまで一般に公開されていませんでした。

  ところが、システム稼動から15年経った今年の11月より、
 取引データからプライバシーに関する情報を除いたデータが、
 「REINS Market Information」というウェブサイトで、
 誰でも見ることが出来るようになりました。
 (http: //www.contract.reins.or.jp/index.html)
 現在は首都圏など地域限定の公開ですが、新聞記事によると
 来年4月には全国のデータを提供する予定とのこと。

 ちょっとのぞいてみると、どうやらこのシステムでは
 マンション・戸建の取引価格のデータしか選べず、
 土地そのものの取引価格は公開されていません。
 ただ、家を買うときだけでなく、売却する際にも
 不動産屋さんの見積もりをチェックする意味で使えそうです。
 他にも、築年数と面積あたり単価の関係を見ると、
 築20年くらいでマンションの取引価格は下がらなくなることや、
 戸建の価格は築年数による変化が小さいことなど、
 いくつか面白い発見がありました。

 使ってみて、このシステムの難点もいくつか感じました。
 ひとつは、個別データの参照方法がわかりにくいこと。
 取引情報グラフを拡大すれば、一件ごとの詳細が
 ポップアップで表示されるようになるのですが。
 もうひとつは、過去3ヶ月の取引が10件以下の
 絞込みデータは表示されないこと。
 たとえば、藤沢市のマンションを調べても、
 駅からの距離指定で徒歩10分以内を選択し、
 さら築年数にも絞込みをかけると表示が出なくなります。
 過去6ヶ月・1年遡ったデータが選べると、サンプル数が増えて、
 表示されるケースが増えると思うのですが。

 でも、この試み自体はとてもいいと思います。
 不動産業者の意向に振り回されず、購入者・売却者のために
 きちんと情報が提供されるように育ててほしいですね。

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 住宅のバリアフリー改修促進税制って???
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  来年度、またいろいろと税制が変わることになったそうです。
 ニュース記事を読んで気になったのは、先日与党から発表された
 税制改正大綱に、バリアフリー改修についての項目があったこと。
 (http: //www.jimin.jp/jimin/seisaku/2006/pdf/seisaku-030a.pdf)
 介護保険との関連がわからなかったので、さっそく調べてみました。

 どうも、この要望を行ったのは国土交通省で、
 介護保険を主管する厚生労働省はノータッチの様子。
 要望書を読むと、どうやら要介護認定前の方にも
 バリアフリー改修を進めてもらうために、
 税制からその支援をしたいという趣旨のようです。

 この制度の具体的な内容を調べると、これがまた判りづらい…
 所得税からの控除と固定資産税減額の2本立てなのですが、
 整理するために、長くなりますが概要を書くことにします。
 (面倒な方は途中を読み飛ばして結論をご覧下さい)

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 A、住宅ローン残額の一部の所得税額からの控除

 1、対象者は?
  (住宅ローン残額控除)
  ・50歳以上 ・要介護、要支援認定者 ・障害者 
  ・要介護、要支援者、障害者、65歳以上と同居する者

 2、どんな工事が認められる?
  ○廊下の拡幅 ・手すりの設置 ・階段の勾配の緩和
  ・屋内の段差の改良 △浴室改良 ・引き戸への取替え工事
  △便所の改良 ・床表面の滑り止め化

     なお、上記の合計額が30万円を超えないと認められない。

  ※ ○は介護保険では支給されない項目、
    △は介護保険より適用範囲が広いと思われる項目

 3、誰が認定するの?(証明書の発行元)
  ・登録性能評価機関、指定確認検査機関(日本ERIなど)
  ・建築士事務所に所属する建築士

 4、何がいくら安くなるの?
  ・改修のために借りたローンの年末残高の1000万以下の部分の
   2、の部分の工事費用(200万円が限度)の2%と、
   それ以外の工事費用1%を5年間にわたり、所得税額から控除

 [参考1] バリアフリー改修300万、その他700万の改修工事を、
      500万を現金、残額500万円を5年ローンで支払った場合
       の減税額(金利計算は省略)
   1年目年末ローン残高500万
    (300-100)×2%+(500-200)×1%=7万円が控除
   2年目年末ローン残高400万
    (300-100)×2%+(400-200)×1%=6万円が控除
   3年目年末ローン残高300万
    (300-100)×2%+(300-200)×1%=5万円が控除
   4年目年末ローン残高200万
    (300-100)×2%        =4万円が控除
   5年目年末ローン残高100万
    (100)×2%          =2万円が控除
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   5年間 控除額合計      24万円

    5、適用期間、条件は?
  ・2007年4月1日〜08年12月31日の間に対象者が住むこと

 6、他に気をつけることは?
  ・住宅ローン減税を適用していると使えないこと(選択制)

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  B、固定資産税減額
 1、対象となる住居は?
  2007年1月1日にすでに存在し、
  2007年4月1日〜10年12月31日までにバリアフリー改修済みで、
  ・65歳以上 ・要介護、要支援認定者 ・障害者
  が居住する住宅

 2、どんな工事が認められる?
  →A−2 に同じ

 3、どうやって申請するの?
  ・工事内容が確認できる書類を添付して市町村に申告

   4、いくら安くなるの?
  ・工事完了翌年度分の当該住宅の固定資産税額を1/3減額する
  (ただし、一戸当たり100m2相当分までに限る)

 [参考2] 延べ床面積250m2、課税標準額1500万円(改修後)の
      住居を藤沢市内(固定資産税率1.4%)に所有する方が、
      300万円のバリアフリー改修工事を行った場合の減税額

 減税前の固定資産税 1500万×1.4%=21万円
      減税後       21万×100/250×2/3+21万×150/250
                 =5.6+12.6=18.2万円
                    (差額は3.2万円)
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    で、結論です。

Aの制度は、ローン利用者に限定されていることから、
 実質的には利子の減免に過ぎない制度です。
 現金で工事費を支払うのに比べて、負担が減るわけではありません。
 (ちなみに、500万円を金利5%(無担保ローン金利はこの程度)、
  元利均等払いで借りた場合の利息総額は66万円になります)

 Bの制度は、ローン利用に関わらず使えるようなので、
 実質的な負担軽減と言えそうですね。

   (あくまでもこれらは自民党からの資料を元にした試算なので、
  年度末に詳細がわかり次第、続報を書こうと思います)

 ただ心配なのは、介護保険との関連が判りにくいこと。
 かつて介護予防をプッシュした公明党の意向で
 入った減税項目らしいですが、せめて介護保険の改修など、
 似たような制度との整合性をきちんと調整し、
 できれば同じ手続きを利用する形で出して欲しかったですね。
 付け焼き刃、選挙対策との批判の声ももっともに感じます。

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 新年の介護教室のご案内です。
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  前々号でもお知らせしましたが、
 今年度の「元気が出る介護教室」最終回のご案内です。
 介護技術の基本である「介護者の基本姿勢や動作」を中心に、
 デンマークで修行された大槻先生から移動・移乗を教わります。
 みなさま奮ってご参加ください。

 元気になる介護教室(第4回)
 「北欧の移乗・移動技術を学ぼう」
 開催日  2007年1月28日(日)←1月21日から変更になりました
 講 師  大槻恵子(保健師・文京学院大学講師)
 会 場  藤沢産業センター6F 研修室3
 時 間  15時〜17時
 定 員  40名
 参加費  1000円(湘南改造家会員は500円)

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 後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  思えば、湘南改造家も設立からもうすぐ4年になります。
 この4年間で、全く畑違いだった介護の世界を垣間見てきて、
 良い介護は良い制度があればOK、というわけではなく、多くの人の
 絶え間ない信念と努力で維持されていることを知りました。
 そして、その目指す方向である「住み慣れた家で生を終えること」
 には、まだまだ公的な制度も手が届かない部分が多く、
 そのの実現のために、建築に携わるものがやるべきことは
 たくさんあることも気付かされました。
 特に、家族の形態が様々になっている状況で、
 必要に応じた改修や住み替え相談の必要性は
 ますます高くなっているのではと感じます。
 そういった多様な暮らしを受け止める住まいを考えることが、
 建築に携わる者の、これからの務めと言っても
 言い過ぎではないでしょう。

 ところが、年末にこんなニュースが流れました。
 とうとう出たか、というのが偽らざる実感です。
 「新築マンション調査、7パーセントで強度不足か 国交省」
  http://megalodon.jp/?url=http://www.tokyo-np.co.jp/taisingizo/061227T215651.shtml&date=20070106143012
 http://megalodon.jp/?url=http://www.asahi.com/national/update/1227/TKY200612270340.html&date=20061228194419
 (元記事が削除されても見られる、キャッシュのURLにしています)

 築5年以内の10階建て程度のマンションを無作為抽出して調べたら、
 実は7%に構造上、強度不足の恐れがあったということ。
 姉歯事件は終わったのでなく、どうやら始まりに過ぎなかったようです。
 偽装ではなく設計ミス、との説明ですが、購入する人にとっては
 それがどっちだろうと危ないことには変わりません。
 少なくとも平成12年の法改正以後の中層マンションは、要注意ですね。

 こういった、住み替えを考える人に知られるべきでありながら
 あまり大きく報じられない情報についても、
 消費者保護の立場で、今年は積極的に取り上げていこうと思います。
 本年も湘南改造家をどうぞよろしくお願い申し上げます。

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