●●● 湘南改造家通信48号  2007. 5. 16 (水) ●●●●●●●●●●

 湘南改造家会員のみなさま、こんにちは。
 代表の橋本洋一郎です。

 昨日で27日(日)の会員総会の資料発送も一段落です。
 毎年のことですが、会計資料の作成は未だになじめませんね。
 このあとさらに、税務署に法人税の申告が必要なのですが
 NPO法と法人税法で、営利事業の扱いが違うために、
 また新たに別の会計書類を作らなくてはならないんです。
 そのあたりの整合性を押さえて法律を作ってほしいんですが・・・
 縦割りの弊害というか、行政の横の風通しの悪さは
 本当に何とかしてほしいです。

 それでは、改造家通信48号です。
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 最近の湘南改造家
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 介護福祉士資格が迷走しています。
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 前号のメルマガ後記に記した「准介護福祉士」の問題。
 先日の新聞でニュースになっていました。

 試験落ちても資格 「准介護福祉士」新設へ
http://www.asahi.com/life/update/0509/OSK200705090004.html

 看護師の専門性を疑う人はあまりいないのに対して、
 介護福祉士はそのような待遇を受けていないのが現状です。
 (知識と技術を身につけた方がまだ少ないのも原因ですが)
 今度の法改正は、言ってみれば「看護師並の専門性」を
 介護福祉士が身につけ、それにふさわしい評価を
 得るためのものだと理解していました。

 介護福祉士養成校を卒業した人の場合、
 現在は卒試に受かれば介護福祉士になれるのですが、
 改正後は教育時間数も増え、さらに
 卒業後国家試験をパスしなくてはならなくなります。
 合格率を上げるためには、卒試のレベルも国試に近づくでしょうから、
 結果として今よりも専門性の高い人が生まれ、
 上に書いたような目的に近づいていくのかな、と思っていたのですが…

 ところがフィリピンとの協定で介護職の受け入れを決めた影響で、
 養成校出身者は卒業しただけで
 「准介護福祉士」という資格をもらえるようになるとのこと。

 介護施設などの就職先は、基本的に専門性の高い人材より、
 どちらかというとある程度のレベルがあれば、
 低コストで雇える人を欲しがります。
 そういった施設にはむしろ「准介護福祉士」の存在は渡りに舟。
 そうすると、養成校としては介護福祉士合格者が少ない方が
 就職率が高いということになるかもしれません。
 何より就職率は少子化の今、学生募集の切り札です。
 つまり、卒試のレベルを国試よりも下げる動機が生まれます。

 そうなると、養成校は最初の目的と異なり、
 「准介護福祉士養成校」になってしまうのではないでしょうか?
 介護福祉士の合格率もあまり上がらず、
 だから介護職の知識や技術も高まらず、
 結果として介護職の一般からの評価も上がらない。
 残念ながらそんな行き先がなんとなく見えてきてしまう、
 残念な今回の法改正のニュースでした。

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 年金試算へのうがった見方。
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 この2月、1.26で安定という現実的な出生率の見通しに基づいた
 厚生年金の給付水準見通しが公表されました。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/02/dl/h0206-1a.pdf

 現職の松沢知事は、これを見ると、標準的な給付水準は現役時51.6%です。
 平成16年の法改正時の試算は50.2%だったので、
 試算額が低下していないことに安心された方も
 多いかと思うのですが、残念ながら落とし穴があるようです。
 少子化とは違った視点から、試算の実現性に疑問符をつける
 リサーチ記事を見つけたのでご紹介します。

http://www.nli-research.co.jp/report/researchers_eye/2007/eye070423.html

 ポイントになるのは、その4%という高い運用利回りの
 根拠になっている経済見通しの仮定条件です。
 試算にとってプラス要因である実質長期金利を平均2.7%
 (現在は1.7%程度、運用利回りの基本水準となる)
 マイナス要因である賃金上昇率=実質GDP成長率は1.0%
 (現在は2.0%程度)と見込んでいます。
 どちらも今より楽観的な数字であることがわかります。

  ところが、この仮定だともっと大きい問題が発生します。
 それは、日本の財政が抱える800兆の負債の利払い。
 実際にかかる費用を見るために物価上昇率1%を加え、
 名目長期金利3.7%で計算すると
 800兆×3.7%≒30兆円の支払い利子を
 毎年の予算に計上しなくてはなりません。
 (今年の予算では、利払費は9.5兆にすぎません)
 税収の大部分を利払いで使ってしまうことになります…

 一応、名目成長率(実質成長率+物価上昇率)が
 名目長期金利を上回れば、自然増収により
 利払い費の増加は相殺されるという理屈があり、
 膨大な負債を抱えたままで財政を維持できる
 根拠になっているとのこと。

 ところが、この年金の試算はその前提を無視している。
 つまり、年金試算の前提が実現すると国家予算が
 成立しないという空恐ろしい事態になります。
 政府としては国家予算が成立しないと困るので
 年金給付を犠牲にしても、名目成長率>名目長期金利に
 近づくように経済を運営するでしょう。

 つまり、近い将来、年金試算が空手形であることが
 また明らかになるかも?という、ぞっとするお話でした。


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 総会+ミニ講座と介護教室のお知らせです。
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 先月号でお知らせしました5/27(日)の会員総会ですが、
 会員の方にお集まりいただく機会を無駄にしない!ということで、
 下記のミニ講座(2本立て無料!)を併催することになりました。
 会員の方だけでなく、知人の方をお誘いいただいても結構です。
 どうぞ奮ってご参加ください。

    [湘南改造家 第4回会員総会+ミニ講座] 5/27(日)開催
  於  藤沢市民会館 会議棟3階 第3会議室(昨年と同じです)

    時間    内容
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   13時 〜 14時 会員総会
  14時15分〜45分 「女性でも出来る!セルフ住宅改修のイロハ」
          講師 橋本洋一郎(理事・一級建築士)
  15時〜15時30分 「介護者を癒すセルフマッサージ」
          講師 本間秀子(理事・鍼灸マッサージ師)



 また、本年も「元気になる介護教室」を開催します!
 一昨年、昨年と好評を博したキネステティクについて、
 もっと詳しく、しっかりと学びたいという声にお答えして
 今年は通常の講座に加えて上級講座も設定しました。
 下記の日程で開催予定ですので、どうぞご期待ください。
 なお、会場、時間等は追ってお知らせいたします。

開催回  日程        内容
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 第1回 7/22(日) リハビリマッサージ その効果と手法
 第2回 8/26(日) もっとキネステティクを学ぼう(1) 
 第3回 9/16(日) もっとキネステティクを学ぼう(2) 
 第4回 11/25(日) 住宅改修の実例に見る自立の工夫
 上級編 2/17(日) キネステティクを身につけよう

 講師 第1回 本間秀子(鍼灸マッサージ師)
     第4回 橋本洋一郎(一級建築士)
     キネステティクの回 下西潤子+橋本美智子(看護師)


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 後記
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 ここのところ、片付けのお手伝いのご依頼が続きました。
 かつて住んでいた家の売却や引越しなど、理由はさまざまですが
 作業をしていて感じるのはやはりモノの多さ。
 外に出して積み上げると結構な量になります。
 そんなとき、思い出すのは下の本。
   「家の中の物を全部、家の前に出して写真を撮らせてください」
 といって、世界各国の普通の家+家財の写真が並んでいるのですが、
 日本の家の物の多さを写真で見せられて驚いた記憶があります。

 「地球家族 世界30か国のふつうの暮らし」
http://www.toto.co.jp/bookshop/detail/A0105.html

 これだけモノがあると、家もそれなりに大きくなくては
 ならないのだ、と感覚的に分かりますが、
 モノのために家を大きくしているとも言え、つまりは、
 家は生活の道具と言うより物置としての家であるわけで…
 もったいないような、複雑な気持ちになります。
 高齢になってお子様と別に住んでいる方の場合、
 家の半分が物置になっていることも多いですね。

 それでいて、子供は子供で家を買ってローンを
 払っていたりすることが多いです。
 プライバシーや家族同士の距離感が
 別居の大きな理由だと思いますが、
   (もちろん、高齢になった場合の介護負担も!)
 この状況は日本中で不動産屋を支えているようなもので、
 このミスマッチを解消すればずいぶん
 みなさんの暮らしが楽になると思うのですが。

  ただ、そのためには物の少ない暮らしへの転換と、
 世代間の仲直りが必要。それさえあれば、
 それぞれのプライバシーを確保した家への改修は
 そんなに難しくないのですが。
 個人の意識が変われば、家の負担に左右されない
 ちょっとゆとりのある社会が出来そうだな、
 そんなことを今後の仕事に生かしたいなと考えつつ、
 お手伝い仕事に伺う日々です。


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