国際福祉機器展 H.C.R.2003 見学記
写真1 10月15日(水)、お台場の東京ビッグサイトにて開催された福祉機器展を見学に行ってきました。参加者は僕を含めて3人、他に副代表の橋本美智子が仕事の関係で別の日に見学に行くことに。
 会場は6ゾーンに分野別に分かれており、サインも常に目に入るように配置されていました。まずは住宅改修のプランニングに新製品が与える影響の大きい、段差解消機などの建築・住宅・施設用設備を展示している4ホールへ。
 そこそこ敷地が広く車庫があり、道路に対して建物が高いところにある場合が多い藤沢や鎌倉では、購入に比べて利用者負担を小さくできるレンタル対応の段差解消機が、車椅子利用者の外出を簡単にする切り札になると僕は考えています。今年の4月からレンタル対象になったばかりのため、貸与事業者さんの体制はまだ十分ではないですが・・・。会場では1.5m持ち上げることのできる大型の据え置き式段差解消機が展示されていました。調べたところ2社からその仕様のものが出るようで、こちらの改修提案の幅が広げられそうです。右上写真のメーカーのものは来年1月の発売を予定しているとのこと。(写真1)    



写真2 また、大手の介護サービス会社では、ベッド→車椅子への移乗から、介護タクシーに乗せるまでのプロセスを見せていたのですが、移乗の際にドライバーがスライディングボードを使っていて、利用者及び介護者の負担感の少なさを売りにしていたのが印象的でした。介護タクシーそのものは、料金などが一割負担で普通のタクシーより少し安い程度の値段に設定されていて(つまり実際の料金は普通のタクシーの10倍程度)、うまい商売だなあ、と斜から構えてみてしまう部分もないわけではなかったのですが。ただ、ドライバーが普通二種免許に加えてヘルパー二級以上を所持しているとのことで、その教育なども考えると仕方のない料金設定かなあ、という気もします。    
 スライディングボードのような福祉用具を使うことは、利用者だけでなく介護する者の身体を守るためにも有効です。在宅介護では家族が介護する場面も多いため、介護疲れのような状況を生まないために、改造家でもそういった道具の利用を介護職や利用者の方に勧めて行こうと思っています。(写真2)



写真3 また、出展社ワークショップもいくつか魅力的なものがありました。僕が見てきたのは、海外の車椅子を販売している(株)アクセスインターナショナル社の山崎泰広さん(ご自身も車椅子を使いながらも、水泳でのパラリンピック出場や車椅子利用者では日本初のダイブマスターをお持ちの方です)による「シーティングによる褥瘡の予防と再発の防止」というもの。(写真3)    
 高齢者の褥瘡には、車椅子での姿勢の悪さに由来するものも多いこと、予防のポイントは左右の坐骨と尾骨だけであること、体圧分散には足の裏への荷重が大切なことなど、重要な点を判りやすく説明されていました。やはり基本はよい姿勢を保つこと、そしてその姿勢を維持できるように、傷みがでる部分をよいクッションによって守っていくのが、褥瘡予防の第一歩のようです。まあ、どんなクッションがよいクッションなのか、などの情報がここでは書ききれないぐらい、密度の濃い一時間でした。    
 僕自身も、ちょっとした筋肉痛で動く意欲ががくっと落ちることはよくあります。痛みを減らしながらもその原因である姿勢を改善していく、「除痛・姿勢維持のサポート→骨盤の立ったよい姿勢の維持→身体機能の回復」という一連の流れは、これからの高齢・障害者ケアでの共通の課題だと思います。 

写真4 他にも、リフトメーカーさんの設計の方と直接お話して、水圧式リフトの弱点と特性について教えていただいたり、力をいれずにロール紙が切れるペーパーホルダー(水に濡らして切るという目から鱗の発想)に驚いたりと、住宅改修や福祉用具適合の技術をあげるためにとても勉強になった一日でした。    
 車椅子や自助具なども見るべきものが多く、毎年ここを見に来ないとあっという間に自分の知識が遅れていってしまう、そんな印象です。いままでご覧なったことのない方にもお勧めの展示会です。毎年ここで開かれていますので、今年いらっしゃらなかった方も来年はぜひ。ちなみに当日の来場者数は主催者発表で41,527人、かなり込むことは覚悟しなくてはなりませんが。

代表 橋本洋一郎           戻る